服と映画と音楽と

すきなものたち。

1 三日間の幸福

三秋縋さんの三日感の幸福を読みました。

 

自分の生命に価値を付けるのならば、誰しも一度は考えたような事を描いたSF小説です。

 

この作品は、某大型掲示板に投稿されたもので、

「寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。」という原題でした。

文庫化するにあたり、三日間の幸福」とタイトルを変え、大幅に加筆修正されたようです。

(この作品はコミカライズ化もされていて、現在も連載中です。)

 

 

タイトルの通り、寿命を買い取ってもらった主人公のクスノキと、その監視員のミヤギのお話です。

 

主人公の人生は、世辞にも恵まれた人生とは言えず、寿命の査定額は1年につき1万円。

未来を悲観した主人公は、寿命の大半を売り、僅かな余生で幸せとは何かを見つめ直していきます。

 

 

「ひょっとしたら、いつかいいことがあるかもしれない。」 

希望を捨てきれずに、無為な日々を過ごしてる人もいるのではないでしょうか。

 

「いなくなる人のこと、好きになっても、仕方ないんですけどね。」 

愛した人との時間は、全てを手放してさえも良いと思える、かけがえのない尊いものです。

 

日陰を歩いた人間ならば、この作品に自己投影してしまう事も少なくないと思います。

 

 

自分の生命の価値とは

 

自分の生命に期限があるならば

 

 

人生は自分の行動により、絶えず変化していきます。

もし、自分がクスノキと同じ立場に置かれたとしたら、残された余生で何をするのか。

作品を通し、考えさせられました。

 

自分の人生の価値を、生命の価値を決めるのは他でもない自分自身です。

 

普段ライトノベルはあまり読まないのですが、この作品は読んでよかったと思います。

人生を見つめ直したい方にオススメです。

 

 

 

 

三日間の幸福 (メディアワークス文庫)